苦労して医学部を卒業した娘の卒業記念に、家族皆で写真館へ

私の一人娘は、子供の頃から、今時の女の子にしては化粧やファッションでお洒落する事にはあまり興味がありませんでした。そんな娘が興味を持つといえば、不思議に感じた事を調べて解決したり、クイズ等の謎解きをする事が好きで、その過程で読書に耽るのも趣味のひとつだったようです。

そんな娘が、小学校の高学年位になった頃、ふと将来の夢を聞くと「お医者さん!」と答えたので、とてもビックリしたものです。「パパと結婚する~!」なんて幼稚園の頃には言っていたのに…。ですから最初は、娘が医者にかっこいいイメージを持っていて、憧れているだけかな、もう少し大きくなったら違う夢になるかもしれないな…とあまり本気にしていませんでした。

娘自身は健康そのもので、あまり病院のお世話になった事はありません。私や妻が、医者や医療関係の仕事をしている訳でもないので、何故医者になりたいのか疑問でした。娘が中学生、高校生…と成長してもその夢が変わる事はありませんでした。

娘が高校生になって、進路を決める際に、医学部のある大学に進学したい、と相談されました。私はすぐには賛成せず、「医者になるのは簡単な事ではない、大学に合格しても、医者は生きている限り常に勉強しなければならないし、辛い事もあると思う。途中で諦めたりしないか?何故医者になりたいんだ?」と、初めて真剣に娘に聞きました。娘は、「子供の頃、とある医者の本を読み、新しい病気や難病の治療方法を、諦めずに探し続ける医者の姿に憧れ、自分もその医者のように社会の役に立つ人になりたいと思っていた。その為に、今までずっと勉強もがんばってきた。」と答えました。

実際に、娘の成績は優秀でした。しかも、そこまでしっかりとした考えを持っていたと知れば、娘の進路に、反対する理由はありません。娘の成長を喜びながら、私と妻の家族で、娘の医者への夢を応援する事になりました。

そして、娘は希望大学に合格。医者の卵として、娘は勉学に励む日々が続きました。毎日とても忙しく、辛い事もあったようでした。しかし、娘が勉強している事は親である私達は全く知らない事ばかりですから、娘が小学生だったの時のように分からない事を教える、なんて事もできません。大学の学費を払う事以外には、娘が勉強しやすいように、家で騒音を出さないで過ごす事でしか応援できませんでした…。(笑)

私と妻がハラハラしながら見守る中、数年が過ぎ、娘は卒業試験をクリアし、無事大学を卒業する事になりました。卒業式の日、式の一連の流れに私と妻は感涙。その後忘れずに、大学で卒業証書を持ったスーツ姿の娘を記念撮影しました。

するとその時、袴姿で卒業式に出席していた卒業生を見た娘が「袴を着るのも良かったかな…。」と、一言呟きました。お洒落にあまり興味がなかった娘は、「何回も着そうにないし、卒業式の為に袴を買ったりレンタルしなくていい」、と言って当日スーツを着たのですが、綺麗な袴姿の同級生を実際に見ると、自分も着たくなってしまったようでした。

そこで後日、袴姿の卒業記念写真を撮る為に写真館に行く事にしました。写真館での撮影は、慣れない袴を着て動く必要がありませんし、外の天候が悪い日でも屋内の撮影なら、綺麗にメイクしてもらった化粧や髪形が崩れる心配がなくていいですよね。普段写真を撮る時は、私が撮影役なのですが、この時は私と妻と娘の3人で撮影してもらいました。

仕上がった写真の袴姿の娘は、とても良い笑顔でした。いつでも見られるように、自慢の娘の姿はリビングに飾っています。(笑)